はじめに
夢の平のコスモス畑は、ゲレンデの斜面にひろがっています。見て歩くには、どうしても坂をのぼることになります。
この日は、十月とは思えない暑さでした。日傘を差した年配の女性二人が、ゆっくりと斜面を登っていくのを見かけました。息をととのえながら、少し歩いては足を止める。その歩みは、急ぐ人の速さではありませんでした。私も同じように、汗をぬぐいながら、風の通る場所を選んで進みました。
花は、のぼるほどに足もとから視界へ、視界から空のほうへと続いていきます。坂の途中でふと振り返ると、そこには、登ってきた人だけが見られる景色がありました。
ふり返ると、遠くまで見えた
のぼり切ったわけではなく、ほんの少し高いところへ来ただけでした。それでも、見える景色は思いがけず遠くまで開けています。
シリーズ最終回のVol.3は、同じ一日の「ふり返る時間」の記事です。花の向こうに霞む山と、平野のむこうの海を、写真とともに綴ります。
淡い青のむこうに、立山連峰

手前のコスモスは、風に細い茎を揺らしながら、澄んだ光の中に立っていました。その向こうに、青にとけた山の稜線が横たわっています。
立山連峰です。はっきりとした姿ではなく、空の色にほとんど溶けるように、静かにそこにありました。秋の空気は、遠くのものを少しやわらかく見せてくれます。
近くの花はくっきりと、遠くの山はぼんやりと。その距離の差が、この日の澄んだ空気の深さのように感じられました。
平野のむこうに、日本海

反対側へ目を向けると、花の向こうに、砺波平野がひろがっていました。そのさらに先に、日本海があります。
海と空の境目は、淡くにじんで、はっきりとは分かりません。低いところには白い雲のような帯が見えて、遠さだけが静かに伝わってきます。
自分が暮らす土地が、こんなふうに山から海まで続いていること。花の高さから見ると、それが少し不思議で、あたたかく感じられました。
おしまいに
三回にわたって、夢の平の一日を綴ってきました。
写真を並べ直してみると、どれも「近づいては、また遠くを見る」ことのくり返しだったように思います。近づけば花の表情があり、振り返れば山と海がある。どちらも同じ場所で、同じ風の中にありました。
季節外れの暑さの中で、私は景色をいつもよりゆっくり見ていたのかもしれません。のぼる大変さも含めて、その日の記憶になっています。
ご覧くださった皆さんにとって、この花畑が、ほんの少しでも身近な風景になっていたらうれしいです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
動画へのご案内
三つの記事で歩いた一日を、約2分の動画にまとめました。風の気配とともに、夢の平のコスモスを、あらためてご覧ください。

- 名称:となみ夢の平スキー場
- 住所:富山県砺波市五谷字源谷22
- 電話番号:0763-37-1575
- 定休日:水曜日(夢の平コスモス荘)
- 営業時間:9:00〜17:45
- 駐車場:あり
- 関連サイト:夢の平コスモス荘 ホームページ
MIZU掲載情報は記事作成時点の内容です。
営業時間や料金等は変更となる場合がありますので、ご訪問前に公式サイト等で最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

コメント
コメント一覧 (2件)
おはようございます。
夢の平のコスモス畑シリーズ、最終回も大変味わい深く拝見いたしました。
斜面を登る途中でふと振り返った時に広がる、澄んだ空にとける立山連峰や砺波平野、
そして日本海へと続く大パノラマ……。手前の可憐なコスモスとのコントラストが
美しく、その場に立って心地よい風を感じているような気持ちになりました。
暑さの中で足をとめながら景色を味わう贅沢な時間の空気感が、お写真と言葉から
しっかりと伝わってきました。
素敵な旅の記憶のお裾分け、ありがとうございました。
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おはようございます(^^♪
コスモス、凄い量ですねぇ~
此方、元オリックス球場横のコスモス畑とは規模が違う。
見てたら気持ちが良いです。