はじめに
こんにちは。いつも立ち寄っていただき、ありがとうございます。
砺波チューリップ公園をめぐってきたこの小さな旅も、今回でいよいよ最終回です。
Vol.1ではタワーを見上げ、Vol.2ではコキアの枝先にそっと寄り添いました。
最終回は、ファインダーをのぞいていた私の肩を、思いがけない声がたたくところから始まります。
空はどこまでも青く、朝から変わらない爽やかな風が、公園をゆるやかに渡っていました。
そんな一日の終わりの時間を、ここに綴ってみます。
声と音の残る朝
この日は、撮影の途中でちょっとした出来事があって、いつもの静かな朝とは少しばかり違う時間が流れていたように思います。
けれど、そんなときでも風の音や鳥のさえずり、さらさらと流れる水の音は、私の気持ちなどおかまいなしにいつもの場所で鳴りつづけていて、その変わらなさに、どれだけ救われたことでしょう。
写真を撮っていたその瞬間も、帰ってからふと思い出したひとときも、気がつけば同じ朝のなかに重なっていて、見上げた先にはいつだって、あの青空が、何も言わずにそこにありました。
MIZU今日も、写真と言葉で綴る小さな旅へ。
声をかけられた青空の下

シャッターを切っていると、NHK富山放送局の方が声をかけてくださいました。
「撮影している姿を撮らせてもらえませんか」。
少し照れくさかったけれど、気持ちよくお引き受けしました。
そのあと、インタビューも受けました。
色づきはじめたコキアを眺めながら、「秋めいてきましたね」と話したのを覚えています。
風はさらりと軽く、空は雲ひとつない快晴でした。
九月はずっと雨続きでした。
だからこそ、カメラを向けられるこの日が青空でよかったと、心からそう思います。
空がくれた、ささやかな贈り物のようでした。
この放送は、翌日に流れました。
風がやむのを待った水面

水面に、タワーがもうひとつ立っていました。
けれど風が通りすぎると、その姿はふっとほどけて揺れてしまいます。
私はじ〜っとして、風がやむのを待ちました。
息をひそめるように、ただ静かにファインダーをのぞいて。
鳥のさえずりが聞こえます。
そういえばこの日は、水車がまわる水の音も響いていました。
その音に誘われて、幼いころに見た水車が、ふと胸によみがえりました。
はっきりとした記憶ではありません…。
ただ、水の音に耳をすませていると、あの頃の自分がすぐそばに立っているような気がしたのです。
そして、風がふっとやんだ一瞬に、シャッターを切りました。
水面がやっと静かになってくれた、その一瞬を。
動画へのご案内
この回の内容を、約2分の動画にまとめました。動画の最後には、水車が回る様子も映っています。写真とは少し違う、その場所の空気を、動画でも感じてもらえたらうれしいです。
おしまいに
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
三回にわたって、初秋の砺波チューリップ公園を歩いてきました。
九月の雨が嘘のように晴れわたった朝で、風は最後まで、やさしい秋風のままでした。
公園をあとにするときも、胸のなかはあたたかな幸せでいっぱいでした。
この公園の中には、国内で唯一、年間を通してチューリップを楽しめる「チューリップ四季彩館」があります。
花の季節だけでなく、いつ訪れても迎えてくれる場所があること。
それもまた、この公園のもうひとつの顔なのだと思います。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
MIZUまた、越中の景色の中でお会いしましょう。

- 名称:チューリップ公園
- 住所:富山県砺波市花園町1−32
- 電話番号:076-333-7716
- 定休日:なし
- 営業時間:24時間
- 駐車場:あり
- 関連サイト:公式サイト
MIZU掲載情報は記事作成時点の内容です。
営業時間や料金等は変更となる場合がありますので、ご訪問前に公式サイト等で最新情報をご確認いただくことをおすすめします。


コメント
コメント一覧 (2件)
黄色い花の向こうに見えるチューリップタワーは凛として威厳がある感じがします。
じっと見つめているとチューリップは三人の王女で黄色い民衆に笑顔を送っているように見えました。
一方水面に映るチューリップタワーは幻想的な感じで夢の世界に感じます。水面に有るのは水草でしょうか、それが空の雲に見え、鱗雲の中で遊ぶ王女様たちに見えてきました。
楽し気な素敵な写真を有難うございました。
GENさん、こんにちは。
とても素敵な物語に仕立てていただき、ありがとうございます^^
「三人の王女が黄色い民衆に笑顔を送っている」という見方には、なるほど!と感心してしまいました。
水面に映ったチューリップタワーも、そう言われてみると本当に夢の世界のようですね。
水面に浮かんでいるのは水草だと思いますが、雲や鱗雲に見えるという発想が面白くて、私ももう一度写真を見返してしまいました。
同じ写真でも、見る人によってこんなふうに物語が生まれるのは楽しいですね。
こちらこそ、素敵な見方を教えていただきありがとうございました。