時計を見ないまま、シャッターを切っていた【あさひ舟川べり Vol.5】

目次

はじめに

皆さん、こんにちは。MIZUです。

連載第5回は、撮影に夢中になっていた時間のことです。

ここまでの4回で、土手を歩き、ひまわり畑の前に立ち、花に近づいたり離れたりしてきました。

気づくと、ずいぶん長くこの場所にいます。

今回は、その途中のいちばん静かな場面です。

何枚撮ったのか、何分経ったのか、あまり覚えていません。

覚えていないくらいの時間を、そのまま書いてみました。

連載のテーマ:晴れた朝の舟川べり

快晴の朝の舟川べりです。

日差しは少しずつ高くなって、花の色も、少しずつ濃くなっていきました。

休日の早起きで、この場所に来られてよかったと思います。

仕事のことを考えない時間は、思っていたより、すぐそばにありました。

この回は、その時間のなかにいる私を書いています。

MIZU

今日も、写真と言葉で綴る小さな旅へ。

一輪を待つ

朝の光を受ける一輪の彼岸花と、下に残るつぼみ
朝の光を受ける一輪の彼岸花と、下に残るつぼみ

しゃがんで、一輪にピントを合わせる。

暗い緑の背景に、赤が浮かんでいる。

細いおしべの先が、朝の光を受けてかすかに光る。

花の下には、まだ閉じたつぼみがふたつ。

奥のほうでは、土手の花が赤い塊になってぼけている。

シャッターを切る。画面を確かめる。

少し位置をずらして、もう一度。

風が来るたびに、花が揺れる。

揺れが止まるのを待つ間、呼吸が自然と浅くなる。

ふと気づくと、水筒のルイボスティーは、まだ冷たいままだった。

おしまいに

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

何かを待つ時間は、好きです。

待っているあいだは、ほかのことを考えなくていいからです。

この朝は、そういう時間がたくさんありました。

次回は、いよいよ最終回です。

晴れた朝のことを、特定の誰かに宛てずに手紙の形で書きます。

2分動画でも、この朝をどうぞ

この記事の内容も、2分の動画にまとめています。揺れる花とぼけた赤の奥行きを、動きのある映像でご覧いただけます。ひと息つきたいときに、どうぞ。

基本情報とアクセス
  • 名称:あさひ 舟川べり
  • 住所:富山県下新川郡朝日町舟川新
  • 電話番号:0765-83-2780((一社)朝日町観光協会)
  • 実施時期:9月下旬
  • アクセス:あいの風とやま鉄道 泊駅から徒歩約40分、タクシーで約7分。北陸自動車道朝日ICから車で約5分
  • 駐車場:舟川べり桜並木駐車場
  • 関連サイト:公式サイト
MIZU

掲載情報は記事作成時点の内容です。
営業時間や料金等は変更となる場合がありますので、ご訪問前に公式サイト等で最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

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コメント

コメント一覧 (10件)

  • おはようございます。

    撮影に夢中になり、気がつくと時間が経っている……
    そんな贅沢なひとときを描いた文章にとても共感いたしました。

    一輪にピントを合わせ、風が収まる一瞬をじっと待つ緊張感と静寂が、写真の
    おしべの先の光や背景のボケ味からもしっかりと伝わってきます。
    朝の柔らかな光を浴びた彼岸花の鮮やかな赤が本当に見事ですね。

    日常や仕事から離れ、被写体だけに集中する時間の尊さを改めて
    実感させていただきました。

    応援ポチ!

    • おはようございます。
      撮影に夢中になっていると、本当に時間が経つのを忘れてしまいますよね。
      この日も「もう少しだけ」と思いながら一輪の彼岸花と向き合っていたら、気がつけばかなり時間が経っていました。^^
      おしべの先に光が入った瞬間は、風がふっと弱くなって花が静止したタイミングでした。
      彼岸花は細い部分が多いので、少し風があるだけでも揺れてしまって、ピントを合わせて待っていると、まるで花とこちらの我慢比べのようになります(笑)。
      だからこそ、風が収まったほんの一瞬にシャッターを切れた時は嬉しいんですよね。
      背景のボケの中に赤い花が浮かび、おしべの先に小さく光が乗っているのを見て、「待ってよかった」と思いました。
      写真を撮っている間は、仕事のことや日常のこともすっかり頭から離れて、目の前の花だけを見ている。
      考えてみれば、こういう時間を持てること自体が、写真を続けている理由の一つなのかもしれません。
      そんな時間まで感じ取っていただけて、とても嬉しいです。
      いつも温かく見てくださり、ありがとうございます。
      応援ポチもありがとうございます!

  • 今日は家人と福井県の芦原温泉に来ています。
    今は風呂上がりで身体がポカポカです。

    申し訳ありませんが、訪問だけで失礼します。

    応援ぽち

    • こんばんは。
      芦原温泉にいらっしゃるんですね。
      風呂上がりで身体がポカポカのところからコメントをいただき、ありがとうございます(笑)。
      芦原温泉といえば、やっぱり湯上がりの一杯も美味しそうですね。
      これから美味しいものを食べて、温泉で温まった身体のまま、のんびり過ごされるのが一番です。
      せっかくの温泉旅行ですから、今夜は旅を満喫してくださいね。^^
      応援ぽち、ありがとうございます!

  • 「じっとその瞬間を待つ」MIZUさんの写真を撮る心構えが良く伝わってきました。
    私もそれくらい真剣な一枚を撮ってみたいと思いましたが、
    貧乏性の私はそれでは次それでは次と、次の花に心が移ってしまいます。
    それを反省して、被写体をじっくり選び、じっくりと構えて、一枚を撮ってみたいと思いました。
    今日の教訓、「じっくりと待つ」

    • GENさん、ありがとうございます。
      「それでは次、それでは次」と次の花に心が移ってしまう……その感覚、よく分かります^^
      花がたくさん咲いていると、どれも気になってしまって、つい先へ先へと進みたくなりますよね。
      私も最初からじっくり待つつもりで撮っているわけではなく、何枚か撮っているうちに「この一輪をもう少し待ってみよう」と思うことがあります。
      風が止まる瞬間や、光が花にちょうどいい具合に入る瞬間を待っていると、いつの間にか周りのことを忘れて、その花だけを見ている自分に気づきます。
      「今日の教訓、じっくりと待つ」―― なんだか私まで嬉しくなる教訓です。
      次にGENさんが撮られる「じっくり待った一枚」、どんな写真になるのか楽しみですね^^

  • こんばんは。予想以上の長編になりましたね!私も彼岸花畑での撮影を行えば全く同じ状況です。それだけ、飽きもなく、いろんなアイデアが生まれる絶好の写真被写体ということですね。

    • こんばんは。
      やっぱり予想以上の長編になってしまいました(笑)。
      自分でも「まだ続くのか」と思いながら、撮った写真を見返していると、あれも載せたい、これも残したいとなってしまって……結局、全6回になりました。
      彼岸花って、本当に不思議な被写体ですよね。
      同じ場所で同じ花を撮っているのに、少し立つ位置を変えたり、前ボケを入れたり、光の具合を待ったりするだけで、まったく違った表情になります。
      MTさんも同じような状況になると聞いて、ちょっと安心しました。
      「もう十分撮ったかな」と思ってから、また一枚撮りたくなる――あの感じ、写真を撮る人にはたまらない時間ですよね。
      長編に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

  • 何かを待つ時間は、好きです。
    待っているあいだは、ほかのことを考えなくていいからです…

    この感覚は私にとっては
    ローカル線の駅で次の列車を待つときの
    感覚に近いのかなぁと思いました。

    私にとって駅で待つ1時間や2時間は
    全く苦にならないんですよ^^

    応援ぽち

    • おはようございます。
      ローカル線の駅で1時間、2時間待つ時間も苦にならないというのは、すごくよく分かります。
      むしろ、列車が来るまでの時間に、その土地の空気や音を感じたり、何気ない風景を眺めたりすることこそ、旅の楽しさなのかもしれませんね。
      今回の彼岸花も、私にとっては「何かを待つ」ように、一つの花の前で立ち止まって、光や風の変化を待ちながら撮っていました。
      そう考えると、写真を撮る時間と駅で列車を待つ時間って、意外と似ているのかもしれません。
      そんなことを気づかせていただいたコメントでした。
      いつもありがとうございます。

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